山本 鋼平
人気特撮シリーズ、宇宙刑事ヒーローでメインキャラを演じた渡洋史、降矢由美子、森永奈緒美が24日、都内で開催されたイベント
「アメイジング映画部2」に登場。「宇宙刑事シャリバン」(1983年)、「宇宙刑事シャイダー」(1984年)を中心に、当時の秘話を語った。
宇宙刑事ヒーローは「宇宙刑事ギャバン」(1982年)、「シャリバン」「シャイダー」と続いた3部作。根強いファンは今も多く、会場は熱気に包まれた。
シャリバンで主人公の伊賀電を演じた渡はJAC(ジャパン・アクション・クラブ)に在籍し、オーディション時は千葉真一の付け人だった。
主役に抜てきされ「千葉さんが、誰がオレの面倒をみるんだ、という話になって、東京から森永を京都に呼びました」と、JAC同期に引き継いだという。
森永は「京都で半年くらいお付きをしていました。東映の撮影所から映画村まで、千葉さんはバイクで行かれるんですよ。撮影が終わると、
メイクを落とす道具を映画村から撮影所まで先に運ばないといけない」と当時の苦労を回想。渡によると、千葉は付き人の移動が間に合うように遠回りしていたという。「同期がレギュラーに決まっておめでとう、
なんだけど、大変な半年間でした。でもそれから私も主役級をいただいたので」と翌年、「シャイダー」でヒロインのアニー役を射止めたことを思い返した。
渡が演じるシャリバンの相棒、宇宙刑事リリィを演じた降矢は、「第1話でリリィが登場するシーンで、
何百回もOKを出さなかった小林(義明)監督は鬼かと思いましたね」と語った。しかも該当シーンは放送されなかった。
JAC出身でシリーズのアクション監督を務めた金田治氏は絶対の存在だったという。スーツアクターが負傷離脱した際は、代役が間に合わず渡がスーツに入った。
「金田さんに『JACのピンチだ。洋史、ここでお前が入らないと我が社はつぶれてしまう』と言われたらね。リリィを助けに行きましたよ。シャリバンと戦う怪獣にも入ったことがあります」と苦笑した。
アニー役の森永も体当たりの熱演で知られ「私は金田さんが『やれ』と言ったらやるだけでした。『やれ』と言われたら、それはできることと思っていました。傷跡は残っていますよ。
ミニスカートで最初の頃はストッキングが伝線する度に代えていたんですけど、そのうちストッキングを代えるのがもったいないから素足でいいよ、となっていましたね」と語った。生傷は絶えない現場だった。
渡、森永ともに劇中では車を操るが、運転技術は特別高いわけではなかった。特に「シャリバン」ではジープ(ジムニー)が新車にも関わらず、撮影初日で廃車処分になるアクシデントが発生した。
「撮影の初日、富士山の麓のS字カーブに差しかかるところで3回転させてしまった。その日は東映の新春パーティーがあって、
撮影が終わったらそのまま東京で、次の宇宙刑事の主役だと挨拶する予定でした。挨拶を考えながら運転していたが、全部無駄になりました」と渡。
「ギャバン」で主演した大葉健二が急きょ代役で挨拶を行い、「渡が初日でジムニーを壊した」と恨み節を交えたという。
ジープの大横転を目撃した降矢は「すごい演出、アクションだなあ、と感心していたら、現場がシーンと凍り付いていましたね」と、笑顔で振り返った。
同日の東映のパーティーには参加したとい