ギャンブルマダム Ⅲ

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ギャンブルマダム Ⅲ

              パチンカーK

新台入れ替えに並ぶということは普段も今もあまり無いのですが
あの日の朝刊広告の一面にデカデカ載ったので
つい興味を持って行きたくなりました。
それで写真のパチンコ屋さんまで初めて出向いたのです。
すると結構な行列!
Kは私の前に並んでいました。
40歳くらいの小ぎれいな印象の女性でした。
開店時間まで立ち話をして互いの連絡を交し合ったのでしょうね。
それから時々電話で話したり会ったりするようになりました。
新台入れ替えの結果がどうなったかは覚えていません。
たぶん、まあまあだったのではと推測します。

            Kの生活

Kとは電話だけでなく、たまに会って遊ぶようになりました。
彼女はスナックの小ママでしたが彼女の母親の大ママが最近亡くなって
実は閉店したのだと話してくれました。
それで小金を相続したからパチンコに興じている事や
店や住まいは賃貸だから近々引っ越す予定であることも。
彼女は社会人になったばかりのお嬢さんと住んでいました。

引っ越し先の手伝いをしに行きました。
洗面台や風呂場、そいて台所の掃除です。
Kの前の家は店舗付きの古い一軒家だったらしいのですが
今度は狭めのアパート。
それでも家賃はそれなりの様でした。
手伝いも終わり、彼女は食事を作ってくれました。
メニューは素麺とごぼうサラダ。
暑い夏だったのと食事はよく覚えています。
食べながら、彼女はボソッと。
「前の冷蔵庫、ばかでかかったから捨ててきたんだ。ここの入り口に入らないし」
「早く冷蔵庫買わなくちゃ~パチ勝たなきゃ」
老婆心で私はつい。
「引っ越し費用や冷蔵庫かかるんだから
そろそろアルバイトしてみたら?パチンコは抑えて」
するとKが嬉しそうに
「それより彼氏ができそうなのよ~」

そのころのKは毎日開店時間から某大手チェーンのパチンコ屋さんに通っていた。
そして結果を時々私に電話をしてきた。
勝った話は平和だが負けた時はボロクソに。
おまけにお店で会ったパチ仲間の男性と親しくなった話もしてくる。
一度彼を紹介されたけど・・自分にはありえないタイプに感じました。
全身に負のオーラが漂っているのです。
数メートル先からはっきり感じました。
昔も今もあまりない経験‼

そいてその予感は当たることになるのです。

                          (つづく)

             

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