【男性】吉野家で紅しょうが“直食い”　３０代男２人逮捕　Ｚ世代より多い「大人の迷惑行為」

　大手牛丼チェーン「吉野家」の店舗で、卓上に置いてある共用の容器に入った紅しょうがを自身の箸で直接食べたとして、大阪府警住之江署は４日までに器物損壊と威力業務妨害の疑いで、自営業の嶋津龍容疑者（３５）と飲食店経営の岡敏秀容疑者（３４）を逮捕した。この迷惑行為を撮影した動画がＳＮＳで拡散されていた。こんなことをするのは若者ばかりと思われているが…。

逮捕容疑は共謀して昨年９月２９日午前、店舗で容器内の紅しょうがを自身が使用した箸で直接食べ、同店の業務を妨害した疑い。

嶋津容疑者が紅しょうがを箸でかき込んで食べる様子を岡容疑者がスマホで撮影し、ティックトックに投稿。すぐに削除したが、第三者によってツイッターに転載され、今年２月４日に爆発的に拡散した。同店は２月上旬、署に相談。一時休業し、容器の消毒や紅しょうがの廃棄などの対応に追われたという。

嶋津容疑者は「皆を笑かしたいと思った」、岡容疑者は「（嶋津容疑者に）面白いことやってと頼んだ。面白かったので皆に見てほしかった」と話し、ともに容疑を認めている。

飲食店の迷惑動画としては、すし店のガリやしょうゆ、うどん店の天かす、ラーメン店のニンニク、カレー店の福神漬けなどが餌食になってきた。これらのようにＺ世代と呼ばれる若い世代が承認欲求を満たすためにその場のノリで迷惑行為をやったのではなく、今回は３０代半ばのオジサンで、しかも“社長”がやったことが特徴だろう。

しかし、飲食経営者は「若い人はわざと動画をＳＮＳにアップして、証拠を自ら残していただけです。無意識の迷惑行為は若い世代、中年、高齢者に関係なくあります。体感的には、昔の衛生観念のままで、昼から酔っぱらって街をうろついているような、世代が上の人の方が迷惑行為が多いような気もします」と語る。

調べてみると、表に出ていない“迷惑行為”が出てくる。ウケるためにわざとやったのではなく、無意識でやっていることだが、目撃した人にとっては迷惑行為だ。

歌舞伎町関係者は「牛丼店で、昼なのにベロベロになって牛丼を頼んで、口をつけた箸で紅しょうがを直食いしてて、途中で『あっ』と気づいて、箸で紅しょうがを牛丼に乗せた高齢男性を見ました。直食いに『あっ』となるんじゃなく、口をつけた箸がダメなのに…。店の人はその人を追い返し、紅しょうが容器を回収していました。ほかの店では、食べ放題の塩辛を直箸で食べてた中年男性を見ました」と言う。

別の関係者は定食店で、酔っぱらった中年女性が漬物を取るための小さいトングを床に落とし、そのままトングを容器に刺し直した場面を目撃したという。また、回転ずし店で、トングでガリをまとめて大量に皿に取り、汁が多すぎたためか、口をつけた箸でガリを押さえながら、ガリの汁を容器に戻した高齢男性を見てしまったとも。

動画になっていないだけで大人の迷惑行為も多発しているのだ。