それでも、河野氏は前回(2021年)の総裁選に出馬した際、1回目の投票では岸田首相と1票差の2位につけ、両氏による決選投票で敗れたことから「今度こそは」と自信があるのだろう。
同じ神奈川県に選挙地盤を持つ菅義偉前首相(75)がここにきて、公然と「岸田退陣論」をほのめかしており、さらに「ポスト岸田」として河野氏について「可能性はある」などと発言したことから、ますますソノ気になっているのかもしれないが、ネット上の評判は必ずしも良いとは言えない。
というより最悪に近いだろう。
《この人が総裁=首相?あり得ない。この人だけはダメ。まだ岸田さんの方がマシ》
《河野さんが総理総裁はない。間違いなく大暴走する。独裁国家まっしぐら》
……などとケチョンケチョン。最大の理由は河野氏が大臣会見やSNSなどで見せてきた不誠実な対応にあるようだ。
■記者を無視し、質問に答えないまま「次の質問どうぞ」を連発
河野氏と言えば、大臣に就く前からSNSを多用し、広く自身の意見を発信してきた。
当時は与野党の支持者問わず、好意的な国民が多かったのだが、大臣就任後から徐々に対応が変化。他のアカウントに対するブロック機能を多用し、批判や国民の声を無視する「ブロック太郎」などと呼ばれるように。さらに外相会見では「北方領土問題」をめぐるロシア側の見解について再三、尋ねる記者を無視し続け、質問に答えないまま「次の質問どうぞ」を連発するなど、幼稚な対応が問題となった。
極め付きはマイナンバーカードを巡る対応だろう。任意取得のマイナカードを事実上、義務化する動きに舵を切り、健康保険証を原則廃止して「マイナ保険証」への切り替えを表明。他人の情報が誤登録されたり、病院が保険資格を確認できなかったりするなどの問題が相次いだにもかかわらず、一切無視して強行する姿は世論の反発を買った。
総裁選は自民党組織内の話だが、その先に国民世論の目があることを忘れてはならない。