自民は今回の改正案で、再発防止を前面に掲げた。その一つが「政治家への厳罰化」。裏金議員らの多くが「秘書に任せていた」と責任逃れし、そのことが批判を浴びたためだ。会計責任者まかせだった政治資金収支報告書の作成と提出について、議員にも「確認」の義務を課すことが柱。虚偽記載が発覚すれば確認を怠った議員は公民権停止の対象となる。
だが、議員が何をどこまで「確認」するべきかなどあいまいさが残り、「会計責任者にだまされた。気がつかなかった」と主張すれば、議員の責任が問われない可能性がある。立憲民主党の長妻昭政調会長は「会計責任者のせいにして、知らぬ存ぜぬといういつもの言い訳を単に書面に書くものに過ぎず、実効性がない」と批判した。
そもそも不記載や虚偽記載をめぐっては立件のハードルが高く、議員の「公民権停止」まで及ぶのかどうか疑問が残る。今回の裏金事件では、検察は3千万円以上を立件基準とし、秘書が立件されたのは二階俊博元幹事長ら数人にとどまった