会社都合の退職。失業保険を受給する日々が終わると貸付へ。
日雇いやアルバイトで何とか食いつなぐことはできても、次第に家賃を払えなくなって去年の夏から恋人宅や親族宅に身を寄せることになった。
助けてくれるはずの親族は、彼の名義で携帯電話の契約をしたり、カードを作ったりした。
相談係は言う。
「基本的に集団生活みたいなところに入ってもらって、仕事できるようになったらしてもらって
竹内さんはまさにその「集団生活」にトラウマを抱える人だった。
竹内さんはセクシャルマイノリティで、過去に入所したことがある施設で怖い思いをした
また、外出や門限などの制限がある施設に入所すれば、唯一の支えである恋人に会うことも難しくなる。それはとても辛いことだった。
そう説明しても、相談係は「仕方ない」
それどころか、「集団生活が嫌っていうんだったら」と前置きしてから、
「例えば、なかなか言い出しにくいとは思うんですけど、自分でやる提案として、アパート初期費用を誰かから借りて自費転居っていう方法があるんで。自分の力でやる転居です」
と言った。なんと、もともと借金がある相談者に更なる借金を提案しているのだ。
相談係は竹内さんのこれまでの履歴を聴き取りしたあとで尚、初期費用を出してくれる知り合いがいると思ったのだろうか。思ったのだとしたら、状況を把握する能力が欠けていると言わざるを得ない
後日、竹内さんから相談を受けた足立区の小椋修平区議が同行し、ようやく生活保護の申請をすることができた。相部屋施設入所も回避できた。
今回のケースを重くみた小椋区議は、生活保護申請を阻む違法な水際作戦をなくすため、福祉事務所の対応改善、また、面談の録音・可視化を議会で求めている
半笑いで連発する「めちゃくちゃ」という言葉