埼玉県の自民党県議団が県議会に提出した虐待禁止条例改正案がSNS(ネット交流サービス)上などで波紋を呼んでいる。小学3年生以下の子供を自宅などに残して外出したり、公園などに放置したりすることを禁じた「留守番禁止」「放置禁止」の規定に対し、子育て世代とみられる人たちなどから「現実的ではない」などと疑問の声が噴出している。【デジタル報道グループ】■働く親にとって深刻な問題
「保育園児がいるシングルマザーです。この条例が可決されたら、生活していけません」「一人親家庭には死ねと言っているも同然。子育て家庭は今すぐ埼玉から転居することをお勧めします」
改正案に罰則規定はないが、子供を預ける環境が身近になければ外に働きに行くことが難しくなることから、一人親家庭の人たちには極めて深刻な問題と映ったようだ。
しかし、この問題は何も一人親に限った話ではない。夫婦共働きの家庭にも影響が及ぶ。
「今でさえ子育てと仕事を何とかやりくりしているのに、働きながらこれは無理があります。専業主婦が少なくなっている昨今、時代錯誤です」。この投稿者は「可決されたら埼玉から引っ越したり、子供を産まない選択をしたりする人も出そうな予感がします」と続けた。
■「『きょうだい育児』もできない」
改正案では、養護者の義務として、小学3年生(9歳)以下の児童の放置禁止のほか、同6年生(12歳)以下の児童についても努力義務とした。養護者に当たるのは保護者や保育士、教職員など。自民県議団は、未成年のきょうだいと一緒に自宅にいても「放置」とする。
こうした規定に対し「放置はよくありませんが、生活の中での一般的な範囲でのお留守番や子供たちだけでの行動に制限をかけること自体が無謀すぎます」という声もあった。これは保護者が働いているかに関わらず、対象家庭に共通する懸念だ。
また、兄に弟の面倒を見させて働きに出ているとみられる人からは「こんな条例成立したら、『きょうだい育児』やっていられません」といった投稿もあった。
議会では改正案に反対の会派から「子育て家庭への負担が大きい」などと反論が相次いだ。しかし、10月6日の福祉保健医療委員会で賛成多数で可決されたことから、13日の本会議で成立する見通しだ。自民は「成立すれば全国初の条例」としているが、批判の矛先は議員にも向けられた。
「一生懸命子育てしている人たちの意見は聞いたのだろうか。車内の放置に対する規定は理解できますが、自宅の規定は非現実的」「こんなの発案した議員は子供いるの? 奥さんに聞いてみたら?」「この条例案を作った人にお子さんがいるとしたら全く育児に参加してこなかったんじゃないのかと思う」
■条例の前に「学童保育拡充を」
「コロナ支援資金」を利用した現職埼玉県議の“悪辣な手口”
https://friday.gold/article/130610
https://ameblo.jp/94288421ca/entry-12764603325.html多額のカネが動く「WAM」を巡ってはさまざま人間が暗躍しており、今年8月には、大阪・寝屋川市議の吉羽美華容疑者らが医療法人から約2億3000万円を詐取したとして逮捕されている。
だが、「WAM」を利用し、苦しむ医療法人につけ込む政治家は、吉羽市議だけではなかったようだ。
「私たちの医療法人は、『WAM』への口利きの見返りとして、政治家から理事に就任させるよう要求されました。相手は、現職の埼玉県議です」
そう怒りを露にするのは、埼玉県八潮市などに複数の病院を持つ医療法人の理事・Aさんだ。現職の埼玉県議とは、田村琢実議員(50)と、宇田川幸夫議員(43)の二人だという。
「きっかけは、資金繰りの悪化から’20年5月に自社ビルの売却を決めたことでした。売却先は宇田川議員の親族の会社。1億6000万円で合意したのですが、その代わりに宇田川議員は法人の理事にしろと要求してきました。
理事になった宇田川議員は、法人の実印、通帳などを預かり、実質的な経営権を握りました」
そして’20年7月、宇田川議員の主導のもとAさんの医療法人は「WAM」から1億2000万円の融資を受けた。するとその3ヵ月後、今度は田村議員が理事として法人に入ってきたという。
「その理由について宇田川議員は、『田村さんがWAMへ働きかけて融資を実現させた』と説明していました。理事になった田村議員は何も仕事をしていませんでしたが、私たちは月5万円の報酬を払っていました」
たまりかねたAさんらは、弁護士を通して宇田川・田村の両議員に解任勧告を行った。結果、宇田川議員は理事から外れたが、田村議員は最近まで居座っていたという。
「弁護士同士の書面のやり取りのなかで、田村議員は『WAMに働きかけることにより、融資を実現させた』とはっきりと書いています。口利きしてやったから、理事を解任させられる理由はない、というわけです。
ところが、今年8月に吉羽議員の事件が公になった後、突如として田村議員は『今までの話はなかったことにしましょう』と言い出したのです」