6月から出産費用(価格)を値上げした関東地方のあるクリニック。値上げはこの12年間で3回目だ。自然分娩(ぶんべん)は60万円を超える。
「光熱費や助産師などの人件費、医療器具の高騰、車より高い医療機器の更新、電子決済の導入費、機器の点検費、高額な事業税……。物価高騰は国の責任なのに、なぜこの時期に保険適用なのか」。経営する男性院長はこう話す。
このクリニックでは年間700件の分娩がある。このうち自然分娩を選ぶ妊婦は6割、ほかはお産の痛みを和らげる無痛分娩だ。無痛分娩には、麻酔科医や麻酔経験のある産婦人科医をそろえるため、人件費も高くなる。
入院を短縮、機器更新できなくなるかも
出産費用は現在、医療機関ご…(以下有料版で,残り948文字)