3月16日の日韓首脳会談以降、文在寅政権前の関係に戻りつつある日本と韓国。
それでも5年に一度の政権交代での「ちゃぶ台返し」を警戒する日本国民の不安を拭えていない中、韓国が日本人を救ったというニュースが舞い込んだ。
毎日新聞によれば、軍閥間の武力衝突事態が発生したアフリカ・スーダンで、在留日本人が退避する過程で韓国軍の助けを得たという。日本の外務省幹部は毎日新聞に対して、「目の前で銃撃戦が続いているような状況で、韓国軍は邦人を車両に乗せて輸送してくれた」とし「日韓関係の改善が現場にも良い影響を与えた」と明らかにしている。
これは朴槿恵政権、文在寅政権では為し得なかった日韓関係の姿だ。
尹大統領は日韓首脳会談の結果を韓国国会で報告する際に「日本は既に数十回、韓国に謝罪している。歴史問題を政治利用してはならない」「日本は100年も前の出来事で、土下座する必要はない」と語り、韓国民を驚かせた。
こうした一連の姿を見ていると、もう完全に、尹大統領は本気で日韓改善に向けて努力をしていると評価して良いだろう。
そのおかげもあってか、最近では韓国で現左派勢力がどんどん弱まっているのも実感できる。
「日本は謝罪している」「土下座する必要はない」
たとえば、韓国の政党『共に民主党』が福島の処理水を巡って「アポなし訪問」をするとした騒動にしても、韓国内でも冷ややかに見られ、何をしに訪日したかわからない結果となったばかりだ。
さらに、正義連元代表の尹美香議員率いる佐渡への抗議に至っては、韓国内から「まず自分自身の疑惑問題を片付けろ」と厳しい声が多く聞かれた。
今回の在留日本人を救ったニュースでのコメントを見ていると、両国で韓国軍を称えるコメントが多く見受けられる。
韓国では「誇らしい」、日本では「感謝」と。
ただ、そんなコメントの中にも韓国ではいまだに「反日」コメントもある点には注意が必要だ。日本でもいまだに「ちゃぶ台返し」についてコメントする人もいる。
いま日韓関係が真に前進し始めたところだが、もちろん安心はできない。ひとまず日本側には、日韓関係改善に努力する今の韓国政府をあと3年間見守って欲しい。焦らず、結果を急がず、その次の大統領選の結果を見てからこれが“ホンモノ”かどうかが見えてくるのではないかと最近は思うのだ。