ギャンブルマダム Ⅵ

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ギャンブルマダム Ⅵ

             病室の K

前に三年間Kは目覚めなかったと書いたが訂正します。
本当はだいぶたって目は開いたのです。
その時に娘さんから連絡があり、すぐに私は病院に直行。
そしてKと対面。
目を開けてはいるけど虚ろな眼差し。
彼女の好きなパチンコのテーマソングを鳴らしても無反応。
たぶん視えてないし聴こえてもない。
何の反応もない、意識も浮遊。
娘さんが一生懸命呼びかけてもわからないみたいだから・・・

そんな状態での起きたり寝たりの入院生活でした。

             K 旅立つ

いぜんKは植物状態のままでした。
脳梗塞で倒れた自分は今ならわかります。
Kは心筋梗塞で急速に脳細胞が死滅していったのだろうと。
おそらく太い血管が詰まったか破裂したのでしょう。
処置が早くて命だけは助かったけれど
深刻な後遺症が残ってしまった。

Kの訃報を聞いたのは三年後。
ひっそりと家族葬をしたみたいです。
Kと会ったのは静岡でしたが私は引っ越しをして
そのころ東北の秋田に住んでいました。
そこの雀荘でMと出会うのです。

数年後にクモ膜下出血で旅立つ運命のMと。

                          (つづく)
             

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