私より長く韓国に住む恩人の在日女性が先日、「韓国ですき焼きがブーム」とツイートしてた写真に「ハサミ」が写っていた。
ハサミに対して突っ込んでみると「野菜をきるため」と言っていたが、果たしてすき焼きに「ハサミ」を使うのが正しいのか正しくないのかは皆さんにご判断を委ねておこう。
以前、私は尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権になり日本文化を謳歌している韓国人を「3歩歩けば反日も忘れるのか」と書いたが、韓国ではまさにまったく「反日」がなかった様になっている。
韓国ではいま空前の日本旅行ブームであり、同時に日本食も大人気なのだ。
最近では日本の「おまかせ」が韓国でも大ブームで、おまかせのお寿司屋さんから、なんとコーヒーや豚足の「おまかせ」を提供する店まで出てきているから凄まじい。
韓国メディアの偏向報道でかろうじて左派市民団体の反日意見もまたメディアを賑わしているが、現地、現場で起きていることはまったく違っているのだ。
もちろん今もソウルの街を歩けば必ず大小に限らずデモに出くわすが、その訴えを誰が聞くのだろうか。デモを行って実績として計上し、寄付金、補助金を受け取るためなんだろうと横目で見る韓国市民が多い。
「反日呪縛」からの解放
だが、そんな日本文化を受け入れたかに見える彼らが「反日呪縛」から完全に解かれて楽しんでいるのかというと決してそうではない。いまは文在寅政権下での反日、不買運動の抑制からの解放、いわゆるそれまでのストレスを発散しているという側面もあるからだ。
ただ、これまでの韓国のことを考えると、日本文化を人目を気にせず謳歌できていることがいままでと違う成長なのかもしれない。
文在寅政権下では政府に対して「ノー」と言えば左派から“社会的抹殺”をされかねない状況だったが、いまは日本のものでも「うまいものはうまい」「好きなものは好き」「良いものは良い」と言えるようになったのは大きい。
日本では韓国が芸能分野で日本を何歩も引き離して、世界進出してとして、成功する韓国を見習おうという報道がされがちだが、そこに違和感を覚えるのは私だけだろうか。
仮に日本が芸能分野では韓国に負けていたとしても、その他ではほとんど勝っている様に私には思える。
韓国人が「日本」に夢中になるワケ
日本から韓国へ行く訪韓観光客も、いまのソウルの物価高に驚くであろう。以前の様に「安くて旨い韓国料理」はないのだ。韓国の雰囲気と韓国料理を味わうくらいならば、旅費を払うまでもなく、新大久保のほうが断然旨いし、十分雰囲気も味わえる。
反面、訪日する韓国人たちは決して韓国でそういった日本の雰囲気、味を堪能できないからこそ、夢中になって訪日している様にも見える。日本で出会う訪日韓国人が日本の文化に触れ、人情に触れ、旨いものを堪能し、どれほど幸せそうな顔で帰っていくことか。そして最後、空港で「ひよこ饅頭」「白い恋人」「ロイズのチョコレート」と定番のお土産をいまだに山ほど買って帰っている。
訪韓した日本人には、韓国で買うそんな定番土産があるだろうか。コロナ前ならば化粧品、顔パックも有名だったが、今は日本で十分購入可能になっている。新大久保などに行かなくてもネットでさえ売っている。訪韓で人気の韓国カフェも、言うなれば日本の純喫茶を真似たものだし、あとは韓国ドラマの撮影先巡礼で、確かにこれだけはどうにもできないものだ。
今、韓国は建国後初めて日本文化を誰にも気兼ねなく楽しめているのだ。最近は韓国で「スラムダンク」が封切りになり、その巡礼地巡りが韓国人の間で流行っているというニュースも出ていた。そうして楽しむ中で、いままでの「恨」になっている「反日教育」に疑問、違和感を持ってくれることを期待したい。その先に、真の日韓関係の改善が見えてくるかもしれない。