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花見日和
こちらは、朗読用の台本です。
台本を利用する方は、利用時のルールを読んでルールに基づいたご利用をお願いいたします。
ーーーーー ここから台本 ーーーーー
声優志望の方の練習として使っても良し♪
推しの声優さんの声で脳内再生して楽しんでも良し♪
この台本を使って音声配信するも良し♪
台本を利用する方は、利用時のルールを読んでルールに基づいたご利用をお願いいたします。
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私は猫である。
名前はジジ。
私はこの家のあるじだった。
病気でこの世を去った後、猫に生まれ変わった。
息子夫婦が住むこの家に様子を見にきていたら、飼われることになった。
孫のハナちゃんに『じ~じだよ』と話しかけると、私の声が聞こえたのか「じ~じ?」としきりに繰り返した。
それを見ていた息子夫婦が「この猫の名前はジジにしよう」と決めた。
何とも安直な名前の付け方だが、まぁ気に入っている。
今日はいい天気だ。
庭の桜は今年もよく咲いてくれている。
さっきまでハナちゃんが、舞い落ちる桜の花びらをつかもうと飛び跳ねて遊んでいた。
「花見日和ね。ハナ眠っちゃったわ」
「休憩したら? 何か飲む?」
「うん、ノンアルにする」
「なあ、ジジっていつもハナのそばにいるよな」
「お互い大好きなのよ。あ、桜鯛のお刺身、持ってくるね」
息子夫婦の会話を聞きつつ、ハナちゃんのそばであくびをひとつ。
そうさ、大好きだ。
大事な大事なハナちゃんを見守るのは私の仕事。
さしずめ私は毎日がハナ見日和というわけだ。
我ながらうまいこといった、とほくそ笑む。