1963年4月10日 「原子力潜水艦スレッシャーが沈没」

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1963年4月10日 「原子力潜水艦スレッシャーが沈没」

1963年4月10日、アメリカ海軍の原子力潜水艦スレッシャー (USS Thresher)が、ニューイングランド沖で行われていた深海試験中に沈没しました。この事故は、アメリカの原潜史上初めての沈没事故であり、129人の乗組員全員が死亡しました。


スレッシャーは、アメリカ海軍が開発した新しい原子力潜水艦で、建造当時最も革新的な技術を備えた艦でした。スレッシャーは、深海での活動に特化しており、海底からの信号を受信する装置や、深海での航行を補助するためのソナーなど、先進的な機器を搭載していました。


事故の原因は、スレッシャーが深海で遭遇したとされる技術的な問題によるものと考えられています。事故当時、スレッシャーは海底から2200フィート(約670メートル)の深さにいたとされ、この深さで潜水艦に対する水圧が非常に高くなることが知られています。スレッシャーは、水圧に耐えられるように設計されていましたが、潜水艦の機器に異常が発生し、船体に損傷が生じたと考えられています。


事故の原因を明らかにするために、アメリカ海軍は調査委員会を設置し、事故原因の究明に取り組みました。調査の結果、スレッシャーの潜水艦長や乗組員には過失はなく、事故の原因は設計上の欠陥によるものである可能性が高いことが判明しました。スレッシャーの沈没事故は、アメリカ海軍にとって深刻な損失となり、以後、原子力潜水艦の安全性に対する厳格な対策がとられるようになりました。

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