毎年2月22日は日本の「竹島の日」だ。
「竹島の日」というのは、2005年に島根県が「竹島の日を定める条例」により定めた記念日のことで、2023年の今年も松江市では式典が開かれた。島根県は今年も総理大臣や担当大臣などの出席を求めたが、日本政府は内閣府の中野英幸内閣府大臣政務官を出席させるに留めた。
ちなみに、韓国が定める「独島（竹島の韓国名）の日」は10月25日である。
これは大韓帝国勅令第41号を記念し、独島守護の意志表明及び独島が大韓民国の領土であることを明らかにするために制定した日なのだが、島根県が「竹島の日」を制定したものだから、それに対抗して李明博（イ・ミョンバク）政権下の2010年に「独島の日」と定めただけのことである。
日本がそんなが「竹島の日」を迎えるにあたり、ソウル新聞から「21~22日、日・大阪訪問韓国人、身辺に気を付けてください（2023年2月21日）」という見出しの記事が出された。同社の報じ方に少々疑問を感じたので、さっそくその内容についてご紹介したいと思う。
記事の内容は、概ね以下のようなものであった。
「日本は危険な場所だ」
大阪大韓民国総領事館によると、2月21～22日に、韓国人旅行客も多く訪れる大阪の道頓堀川恵比寿橋で街頭デモが行われる。同日のデモには、韓国に反感を示す団体も参加する可能性がある。日本ではいまだに嫌韓発言や嫌韓行動を止めない人たちがいて、韓国人旅行客の寿司にわさびを意図的に多く入れるなどの騒動も起きている。だから、注意が必要だ……。
そしてこの記事を読んだ韓国人からは案の定、「軍国主義のやつらが民主主義を知っているだろうか」「我が国は左翼が…日本は右翼が国を滅ぼしているね」「中国、日本、北朝鮮のような非正常国家に囲まれた韓国は本当に残念だ」「韓国人は嫌いだと言うのに、どうして韓国人はしきりに日本に行きたがるのだろう。自尊心を保ちましょう」といったコメントばかりが寄せられているのだ。
「竹島の日」に便乗して「日本は危険な場所だ」と注意喚起をすることで日本はとんでもない国だと言いたかったのだろうか。この記事を読んでいると、そんな印象を覚える。
実際、この記事は韓国のニュース記事では珍しくコメントが約500件以上も寄せられていた。
遠のく「雪解け」
いま韓国では文在寅政権の「反日」ムーブメントが沈静化し、尹大統領が日韓関係の改善に本気で動いているように思える。
元徴用工問題でも解決に向けて韓国政府は動き出しており、日本も本気で動き出そうという流れが出てきている中にあって、こうしてものが出てくると再びの“不信”が高まりかねない。
韓国国民の日本旅行も盛んになり、日韓“雪解け”の芽吹きが感じられていたが、果たしてその日はまた遠のいてしまうのだろうか。
