ぼっちの母「ひとりちゃん、明日のバレンタインの準備はちゃんとしてるの?」ぼっち「え?」

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ぼっちの母「ひとりちゃん、明日のバレンタインの準備はちゃんとしてるの?」ぼっち「え?」

1: 2023/02/14(火) 21:57:06.245 ID:FUByMMqu0St.V ぼっちの家 ぼっち「バレンタインの準備って…?え、なんで?あ、おとーさんの分?それならおかあさんが毎年準備して」 母親「あらあら、JKとは思えないセリフねえ。だめよ?せっかくお友達ができたんだから、お世話になってる人たちにチョコくらい渡さないと」 ぼっち「え…チョコ?わたしが?みんなに…?」 ぼっち「(そっか…、バレンタインデーなんて、恋愛とか青春を満喫してる人達のイベントだとおもってたから気にしてなかったけど…)」 ぼっち「(クラスの子が友達同士でわたしてるの、教室でみたことあったな…確かに、STARRYの皆の分くらいは準備したほうがいいのかも)」 ぼっち「(けど私、人にチョコなんて渡したことないし、準備って、どうすれば…)」
2: 2023/02/14(火) 21:57:28.963 ID:FUByMMqu0St.V キッチン ひとり「(ネットの知識だと、渡すチョコは買ったやつよりも手作りのほうが喜ばれるって書いてあったし、普段お世話になってるみんなの分くらい、作ってみよう)」 ふたり「おねーちゃんがお台所に立ってエプロンしてるなんて珍しいね?ひょっとしてお料理するの?」 ひとり「うん、おねーちゃん今から手作りチョコ作るんだ」 ふたり「えー、無理だー、おねーちゃんがお料理なんてっ、絶対無理」 ひとり「そ、そんなことないよ、大丈夫だよ、おねーちゃんだってそれくらい。それに手作りチョコって言ったって、ただ市販のものに火をかけて溶かして、形を整えてから固めるだけで…」 ふたり「おねーちゃん、なんか溶けたチョコがブクブクグツグツになって、変なにおいするけどいいの?」 ひとり「え?あ、あれ?ひょっとしてちょっと焦げてる!?ひ、ひ、火を弱めないとっ、ってああっ」ガチャーン ふたり「おかーさん、おねーちゃんがお台所めちゃくちゃにしてるよー」
3: 2023/02/14(火) 21:57:44.018 ID:FUByMMqu0St.V 次の日の朝の登校中 店員「ありがとうございましたー」 ひとり「(…結局、みんなの分、市販のチョコを買ってしまった)」 ひとり「(昨日作った手作りチョコも一応、1つ持ってきたけど…、正直焦げてぐちゃぐちゃだし…、こんな毒みたいなの渡したら下手したら絶交されてしまう…、お店にやつならキレイでおいしくて間違いないし、こっちのほうがいいよね)」 ひとり「(けど、チョコってみんなにいつ、どうやって渡せばいいんだろう…、こういうこと今までしたことないから、渡すタイミングとかよくわからない…)」 ひとり「(私なんかが急にチョコなんて差し出したりしたら、みんな不審がらないかな…ちゃんともらってもらえるかどうか不安…)」 ひとり「あれ…、なんか…、緊張してきた」 ……
4: 2023/02/14(火) 21:58:13.484 ID:FUByMMqu0St.V その日の学校の昼休み 喜多「はい、ひとりちゃん、これバレンタインデーのチョコっ」 喜多「あ、手作りなのはね、まあ、変な意味じゃないんだけど、ひとりちゃんには普段お世話になってるからってだけで、別にそれ以上に特別な意味はないというか」 喜多「あ、けどね、他の子に渡すチョコよりがんばって作ったんだけどね…まあ、そういう意味じゃあ」 喜多「特別な意味合いが全然ないというわけではないんだけどねっ」 喜多「(………)」
6: 2023/02/14(火) 21:58:25.587 ID:FUByMMqu0St.V 喜多「(いやいや。回りくどいわよね言い回しが…、チョコを渡すだけなのに変な意味でとられちゃうかも…、もっとシンプルに渡す感じのほうがいいかしら?例えば…)」 喜多「はい、ひとりちゃんこれチョコね。いつもありがと!それじゃいつもどおり、練習はじめよっか」 喜多「(……いや、これはなんかそっけなさすぎるわよね。確実に皆にも同じ感じで渡してるんだろうなって、思われちゃう。いや、ちょっとくらい、特別な意味でとってもらいたいというか…ううん)」 喜多「(…あれ、なんで私ひとりちゃんにチョコ渡すだけでこんなに頭悩ましてドキドキしてんだろ…)」 喜多「(いや、ひとりちゃんのことだからバレンタインデーなんて全然興味ないだろうし、やっぱり軽い気持ちで渡す感じが一番…いやけど)」 ぼっち「あ、お、おそくなってすみません喜多ちゃんっ」 喜多「ひゃああ!」
7: 2023/02/14(火) 21:58:42.245 ID:FUByMMqu0St.V 喜多「ひ、ひとりちゃんっ、急に話しかけてきて、驚かさないでよっ」 ぼっち「え、あ、すみません」 喜多「あ、ううん、わたしこそ変な声あげてごめんなさい。……あ!そ、そーだ、ひとりちゃん。これ、チョコ、あげるね」 ぼっち「え?」 喜多「ほ、ほら、今日はバレンタインデーでしょ?」 喜多「バレンタインデーってさ、す、す、好きなひとにチョコあげるっていうそういうイベントと思われがちだけど、ほ、ほら、普段、友達とか、お世話になった人に渡したりするじゃない?その、だから、その、あの…ひとりちゃんにもその」 喜多「(わ、わたしのばかっ、な、何でこんな緊張して変なこと口走ってるの!?)」 ぼっち「……」

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