お金を渡したがる親戚の気持ちが、ちょっとだけわかった話

お金を渡したがる親戚の気持ちが、ちょっとだけわかった話

お金を渡したがる親戚の気持ちが、ちょっとだけわかった話

帰省していた長男、帰る。

年末年始で帰省していた長男(学生)が帰っていった。

トータル10日という長い帰省だったが、
社会人になると、こんなに長く滞在することもなくなるんだろうなぁ。

 

「ほんとうは、もっと、してあげれることがあったんじゃないの…」

「おせち料理やオードブルより、
母の手料理の方が良かったのかな…」

「いつまで食べてもらえるんだろう。

てか、
いつまでつくれるのかな…」

 

いろいろ考えて、複雑な気持ちになった。

 

ほとんどのことは、自分でできる。

こどもが大きくなると、親がしてあげられることは なくなってしまう。

もちろん、

それを目指して子育てしてきたんだから、
それはそれで、喜ばしいこと。

 

それなのに、
なぜだろう…。

 

ぽっかりと開いてしまったこころの中を、
乾いた風が吹き抜けていく…

 

 

〇子どもの頃のはなし

子どもの頃、
親戚の家にあいさつに行くと、
帰り際にきまって ある「バトル」が繰り広げられた。

 

こどもにお金を渡そうとする「親戚のオバちゃん」

VS

それをなんとか阻止しようとする「母」

 

「ほんの気持ちだから…」「大した額じゃないのよ…」

「いえいえ、充分ごちそうしてもらったから…」

 

おとなの社交辞令というやつだろうか。

 

まだまだ「おこちゃま」だったわたしは、

「また始まった!」
「いつもこうなる!」
「おとなって、メンドクサイなぁぁ…」

「どーでもいいから、はよ終われ」と、
事の成り行きを見守っていた。

 

そのうち、親戚のオバちゃんも引くに引けなくなったのだろう。
何を思ったのか、
お金を、わたしのスカートのポケットに無理やり入れようとしてきたのだ!

 

「こんなことくらいしか できないから…」

「いえいえ、そんなそんな…」

 

どちらも譲らず「がっぷり四つ」
一進一退の攻防が繰り広げられた。

 

バトルフィールドと化した わたしのポケットに群がる
ふたりの大人。

 

ウエストゴムのスカートがずり下がり、
ひとんちの玄関であられもない姿で立ち尽くすしかないわたし。

 

だれか訪問者が来ないことだけを切に祈る刹那。

控えめに言って、地獄だった…()

 

 

どれくらいの時間が過ぎたのだろうか…。

 

 

もう気が済んだのだろう。

ひととおりの「儀式」が終わり、
あんなに拒んでいた母は、どういうわけか、ちゃっかりお金を受け取り

一連の茶番劇は幕を閉じた。

 

 

お金くらいしか…

どうして、親戚のオバちゃんがわたしにお金を渡したかったのか。
いまなら、なんとなく理解できるような気がする。

お金くらいしか、思いつかないのだ。
こどもの喜びそうなことが。

 

今回、わたしも長男を駅まで送るとき、
なんとなく、お金を渡してあげたくなった。

お金を渡すことで、
なんか、親らしいことをしている気持ちになりたかったのかもしれない。

 

結局、あいさつもそこそこに駅で別れたのだが、
帰りの車を運転中、
いままでになくさみしさを感じ、心が苦しくなった。

こころの中にぽっかりと開いてしまったなにかに気づいたとき、
あのときの親戚のオバちゃんを思い出した。

 

あ、わたし、またひとつ、年をとったんだな…。

 

 


 

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