日本政府が中国側に抗議したことがわかった。
同諸島の接続水域(領海の外側約22キロ)では昨年、中国海警船の航行日数が過去最多の336日に上っており、
実効支配を目指す中国側の動きが加速している。
ブイで波高や潮流などのデータを集め、海警船の運用に活用している可能性がある。
政府関係者によると、海上保安庁の巡視船が7月11日、日中のEEZの境界にあたる日中中間線から
日本側に約500メートル入った海域で黄色いブイを確認した。
現場は同諸島・魚釣島から北西に約80キロの海域で、ブイには「中国海洋観測浮標QF212」と書かれていた。
海底に重りを下ろして固定しているとみられる。
国連海洋法条約は、他国のEEZ内で当該国の同意なく海洋調査をすることはできないとしている。
しかし中国はこれまでも、同諸島周辺でブイを設置し、日本側が抗議してきた。
2018年には「中華人民共和国国家海洋局」と書かれたブイがEEZ内で確認された。同様のブイは16年にも見つかっている。
漂流したブイを海保が回収し、取り付けられていた装置を詳しく調べた後、中国側に引き渡したこともあった。