動画は事件直後、仮設救護所で記録されたもの。最初に警察官が「おい名前言えるか、言え!」と大声で尋ね、被告は「青葉!」「真司!」と叫ぶように答えた。「何やった?おい、言え」という問いには「パクられた!」と言い、「何を」と問われると「小説、小説」と答えた。
その後、火をつけた場所や手段、ガソリンなどの購入場所などを問われた被告は、「お前らが知っているだろ」と叫んだ。被告はその後、「パクりまくったからだよ」「小説!」「全部知ってんだろ!」とうなるように声を出した。やがて被告は重いやけどの影響からか、警察官の呼びかけに応答しなくなった。
5日の初公判で被告は「私がしたことに間違いありません」と起訴内容を認めた。弁護側は事件当時、精神障害の影響で心神喪失や耗弱の状態だったとして無罪や刑の減軽を求めた。これに対し検察側は、事件を「筋違いの恨みによる復讐(ふくしゅう)」と総括し、被告に完全責任能力があったと主張している。
起訴状などによると、被告は元年7月18日午前、京都市伏見区の京アニ第1スタジオに侵入し、1階で社員や周辺にガソリンを浴びせかけ「死ね」と怒鳴りながらガスライターで放火。全焼させて36人を殺害し、32人を負傷させたとしている。
判決は来年1月25日に言い渡される予定。
産経新聞