国が大麻の規制を強化する中、大学の学生寮に捜査のメスが入りました。
福岡で若者と薬物をめぐる現状を取材しました。
東京・中野区にある日大アメフト部の学生寮で3日、大麻取締法違反などの疑いで警察の家宅捜索が行われました。
捜査関係者によると、7月上旬、大学側がアメフト部の寮の内部から植物片と錠剤を発見。
これを警視庁が押収し鑑定を進めていました。
鑑定の結果、植物片は大麻と判明。
さらに錠剤から検出されたのは覚醒剤の成分でした。
法務省の最新の統計では、大麻取締法違反で検挙された人のうち20代以下が最も多く、全体の約70パーセントを占めているといいます。
いったい若者たちに何が起きているのか。
福岡に住む若者たちに大麻に対する認識を聞きました。
◆20代男性
「大麻=違法なイメージはありますよね。それこそクラブとかで一時期流行ったりはしたので。A大学でめっちゃ流行った。バイヤーが流行って、それがB大学、C大学に流れてきたみたいな」
Q.大麻吸ったことありますか?
◆20代男性
「あります。大麻自体は19か20歳くらいからずっと吸ってます。ちゃんと大麻吸ってます。今もっす」
日本で大麻は違法ですが、大麻を身近に感じているという若者たち。
話を聞くと、気になるワードが…
◆20代男性
「合法大麻の成分は、THなんとかなんとか」
若者の口から出た「合法大麻」という言葉ー。
詳しく聞いてみると、『THCH』という成分で、これまでは規制の対象外でしたが、8月4日から「違法成分」として規制されることが分かりました。
このTHCHとはいったいどのような成分なのでしょうか?
専門家を訪ねました。
◆福岡大学 薬学部 三島健一 学部長
「炭素数が6個のやつが今回規制されるTHCHになります。『THC』の合成品ということだと思います」
教授によりますと、大麻は大きく向精神作用を持つ『THC』と抗炎症作用があるといわれる『CBD』という成分に分けられるといいます。
THCは違法成分で、若者が言っていた『THCH』は規制をかいくぐったTHCの合成品ということです。
◆福岡大学 薬学部 三島健一 学部長
「THCよりも強力になる可能性はあると思います」
三島教授によりますと、ハイになるなど大麻に似た作用があり、これがより強い可能性があるといいます。
規制をすると、すぐ同様の合成成分が現れ、またそれを規制すると、新成分が現れる、いわゆる『イタチごっこ』状態。