「食の砂漠」という言葉が生まれた1990年代以降、多くの研究によりこの問題の具体像が明らかになってきました。例えばアメリカの場合、裕福な地区には貧しい地区の3倍のスーパーマーケットがあり、白人が多く住む地区には黒人が多数を占める地区に比べて4倍のスーパーマーケットがあるとのこと。また、自動車への依存度が高いオーストラリア・西シドニーの郊外の多くは飲食店がなく、あったとしても85%がファストフード店で占められています。
健康的な食事に欠かせない生鮮食品を扱うスーパーへのアクセスの悪さが、住人の健康にどのような影響を与えるのかを調べるべく、アメリカ・オーガスタ大学のマルコム・セス・ベベル氏らの研究チームは、全米3142郡の96.7%に相当する3038の郡を対象とした調査を行いました。