1992年4月22日 「グアダラハラ爆発事故」

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1992年4月22日 「グアダラハラ爆発事故」

1992年4月22日、メキシコ第2の都市グアダラハラで、下水道に流入したガソリンが引火爆発し、250人以上が死亡する大惨事が発生しました。この事件は、グアダラハラ市内の住宅地域で発生し、周辺の建物や車両なども被害を受けました。


事故が起こる3日前、住民たちはトイレや下水管からの強い異臭を訴えていました。中には水道水にガソリンが混じっていることに気づいた住民もおり、水道局職員が下水管を調査したところ、可燃性のガスが充満していることがわかりました。すぐに市に報告されましたが、真剣に取り合ってもらえず、「騒がず待機」するように命じられたとされています。その後、消防隊も調査をしたが、汚染源は特定できなかったため、住民には特に対策を取るよう指示されませんでした。


事故当日の朝、10時6分頃、下水道が爆発しました。最初の爆発後、4時間以上にわたり、爆発が続き、道路が数キロメートルにわたり陥没するなど大規模な被害が発生しました。公式の発表によると、この事件で254人が死亡し、1,400人以上が負傷し、15,000人以上が家を失いました。また、被害総額は3億ドルから10億ドルと推定されています。


事件発生後、政府やメディアなどは、事件の原因を探るために調査を行いました。その結果、メキシコの石油会社であるペミエックスが所有するガソリンパイプラインに不正アクセスがあったことが判明し、地元のギャング団によってガソリンが盗まれた後、下水道に流れ込んでいたことが原因であることがわかりました。


この事件は、住民たちが危険な状況を訴えたにもかかわらず、政府や企業が対応しなかったことにより、多くの人命が失われた悲惨な事故であり、環境問題にも大きな影響を与えました。


爆発によって、大量の有害物質が大気中に放出され、周辺地域の空気が汚染されました。この汚染は、近隣の住民や作物にも大きな被害を与えました。


また、事故現場に流れ込んだガソリンは、地下水や近くの川にも流れ込み、水質汚染の原因となりました。この汚染は、地域の生態系にも影響を与え、多くの生物が死滅し、生息地を失うことになりました。


この事故は、メキシコ国内における安全基準の不備や問題点を浮き彫りにし、改善策が求められるようになりました。政府は、安全基準の見直しや監視体制の強化など、対策を講じることとなりました。


今でもメキシコ国内外で忘れがたいものとして語り継がれ、環境問題や安全性の重要性を改めて認識する契機となりました。

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